▲1845年(弘化2)に再建された権現造りの本殿
学問の神様として親しまれ
天神祭で全国的に有名
天才・道真公にあやかろうと受験生が願いを託す
天神様と呼ばれ、学問、受験合格の神様として親しまれている菅原道真公。その天才ぶりには本当に驚きます。早くも五歳の時、庭の紅梅を見て「美しや紅の色なる梅の花あこが顔にもつけたくぞある」と、その美しい梅の花の紅色を自分の頬に飾りたいと歌い、十一歳にして梅を讃えた漢詩を作っています。また、二十六歳で方略史(ほ うりゃくし)という最難関の官吏登用試験に合格、三十三歳には学者の最高位である文章博士に任命され、さらに、書道の達人でもあるなど諸事諸芸に通じていました。
大阪天満宮の創建は949年(天暦三)ですが、もともと大将軍社(現在も同宮内に鎮座)があり、太宰府に左遷された道真公が無念のうちに死去した約半世紀後、大将軍社の前に突然七本の松が生え、夜になると金色に光ったそうです。同社には道真公が太宰府へ向かう途中に参詣していたため、その霊の成せる業と考えられ、時の村上天皇が霊を鎮めるために天満宮の創建を勅命したのです
●日本三大祭に数えられる火と水の祭礼「天神祭」
大阪天満宮の一大祭事と言えば、夏の天神祭。大阪人が沸くのはもちろん、全国に名を馳せる日本三大祭りの一つです。同宮創建二年後に始まり、千有余年の歴史と伝統を誇っています。 天神祭は、もともとは同宮近くから神鉾を川に流し、漂着したところで禊みそぎをする神事が行われた際、人々が船で御神霊を迎えたのが起源だとされています。豊臣秀吉が大坂城を築いたころに船渡御の形も整い、元禄時代以降、天神祭は天下の台所と言われた難波の繁栄のシンボルとなりました。
▲大阪の夏と言えば日本三大夏祭りの「天神祭」。今年も盛り上がりそうです
▲裏門そばの星合の池で開催の「星愛七夕まつり」は良縁のご利益も。
存続が危ぶまれた時期もありましたが、その都度、大阪の庶民の心意気によって盛り立てられ、連綿と歴史を刻んでいます。多くの見物客が船渡御や花火の壮観に酔いしれるこの天神祭に先立ち、七夕の日には「星ほ しあい愛七夕まつり」も実施。たくさんのカップルが集まり、ロマンチックな賑わいとなります。